品質不良問題

その地盤は本当に強くなっているのでしょうか

地盤補強・改良をしても、地盤事故が発生してしまうケースが数多くあります。
事前調査による想定設計により支持地盤まで到達せず施工がされていたり、セメント系固化材と腐植土との相性でセメントが固まらなかったり、地下水脈によるセメントの流出が起こっています。実際地盤事故はどのくらい発生しているのかは、火災事故は1000件に対し4~5件程度発生するのに対し、地盤事故は1000件に10件以上も発生しています。

事故が起こった場合の損害額は財団法人住宅補償機構の統計によると、平均して1事故あたり約566万円の補修費用が発生します。住宅品質確保促進法が施工されてから、地盤事故に対する補償制度が確立され、その実態が明らかになっています。
したがって、今後地盤事故の発生確率は、既存の工法の問題からますます増えることが予想されています。

品質不良-CASE1

支持地盤の起伏を考慮しないで事前調査による想定設計に基づき施工がなされている。

品質不良-CASE2

セメント系固形化材と腐食土との相性の問題による固化不良が生じることがある。

品質不良-CASE3

施工後に性能検査試験が実施されていない。家を建てた後に建物に関しての性能検査はほとんどの会社様がされていると思われますが、その建物を支える地盤に関しての性能検査は一般の住宅地盤改良では行われていないのが現状です。一方、公共工事では地盤改良後、性能検査が義務付けられております。品質不良問題が騒がれる中、住宅地盤改良後に、性能検査が行われていないことは、事故増加率に拍車を掛ける可能性があると示唆されています。

苦情件数第1位は雨漏り、2位は外壁・内壁の亀裂、3位は建物の傾斜、4位はドアや窓が閉まりにくい、5位は結露・カビ、となっています。そのうち4位までは不同沈下(地盤事故)によるものと思われています。その件数は787件のうち435件。なんと全体の約55%にものぼります。