カーボンストック工法(LP-LiC工法)
本ページの画像・図は木材活用地盤対策研究会様より提供いただいています。
LP-LiC工法とは
本工法は、地下水位の浅い緩い砂地盤に、地盤改良材として丸太を打設することで、丸太に生物劣化を生じさせることなく、長期間炭素貯蔵を行いながら、地盤の密度増大を図る、環境負荷の極めて小さい液状化対策工法です。
「LP-LiC」は、Log Piling Method for Liquefaction Mitigation and Carbon Stock の略です。
LP-LiC工法の特徴
(1)液状化対策効果
- 現地調査や振動実験により、従来の密度増大工法と同様な液状化対策効果を発揮することが確認されました。
- 対策原理は、信頼性の高い密度増大を基本にしています。
(2)周辺環境への配慮
- 現地調査や振動実験により、従来の密度増大工法と同様な液状化対策効果を発揮することが確認されました。
- 対策原理は、信頼性の高い密度増大を基本にしています。自然素材を用いるので、地下水汚染などの心配がありません。
- 丸太は、地盤に静的に圧入するので、低振動・低騒音です(右図)。
- 大型重機を用いなくても良いので、市街地での施工が可能です。
- 無排土で丸太を圧入するので、建設残土が発生しません。
- プラントなどの設備を必要としません。
(3)丸太の長期耐久性を確保
- 地中の丸太は、地下水位以深であれば生物劣化しません(下図①)。
- 地下水位以浅であっても、透水係数がk≤1×10-9m/sの土質で覆われていれば、生物劣化しないことが確認されました(下図②、③)。
- 生物劣化地下水位※ 以浅の丸太には、防腐防蟻処理または物理的処理を行います(下図④、⑤)。
丸太頭部位置と地下水位を考慮した生物劣化対策のメニュー
※生物劣化地下水位:木材が生物劣化を生じない上限の地下水位
(4)温室効果ガス削減効果
- 丸太を地盤中に打設することで炭素を長期間貯蔵します。
- この炭素量は、工事によって排出される二酸化炭素量よりも多くなります(下図左)。
- 他工法と比べ、炭素貯蔵ができるので工事をすること自体が地球温暖化緩和策となります(下図右)。
LP-LiC工法の適用対象例
大規模分譲住宅における施工
漁港の耐震強化岸壁における施工
打設可能層
先行掘削施工可能地盤N値:N値≤40 (ただし,層厚1m以内 )
先行掘削施工可能土質 :
礫混じり土より細粒な地盤
液状化対策の対象層
原地盤N値:N値≤20
対象土質:砂質土,細粒分含有率Fc ≤50%
丸太頭部深度
GL-2.0m以浅
下限地下水位
GL-2.0m以浅
改良深度
GL-12m以浅
丸太
樹種:スギ,ヒノキ,カラマツ,ベイマツ,アカマツ,クロマツ,エゾマツ,トドマツ,リュウキュウマ ツ,アスナロ
丸太末口呼び径:0.13m以上0.18m 未満
丸太長さ:6m以下
継ぎ数:2 点以下(丸太3 本以下)
① 特許第3923954 号, ② 特許第4359269 号, ③ 特許第4459173 号, ④ 特許第4791394 号,⑤ 特許第5103255 号, ⑥ 特許第5053915 号, ⑦ 特許第5030003 号, ⑧ 特許第5261837 号,⑨ 特許第5261839 号